平塚の金目。古い集落であるこの金目集落。興味深い話も多い。
そこにある金目観音もまた色々な伝説のある観音様。
今回はそんな金目観音です。
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場所は国道一号から相模貨物駅前交差点を右折
県道62号線を進み、小田原厚木道路の高架をくぐった先にある集落内である。
数台停められる無料駐車場があるので参拝には困らない。
金目集落。僕が大好きと言っている大磯丘陵の北東外れにある結構古いこの小さな集落には知識欲にあふれた獅子奮迅のツワモノ達が多くいた。
越中富山藩士、小林蓬斎の弟、小林晋斎(しんさい)を招いて私塾、郁文堂を創設。自由民権運動で活躍した猪俣道之輔(みちのすけ)や宮田寅次を輩出している。文久三年(1863年)、柳川杢右衛門(もくうえもん)によって寺子屋清泉堂が建てられるなど知識欲に飛んだ地域だ。門下生達の活躍により学校が整備され現在の県立秦野高校などの前身が出来上がった。秦野高校はこの周辺地域では偏差値の高い学校として有名だそうだ。
そんな金目村は1957年10月平塚市に合併することになる。
現在は平塚市金目になっている。
その金目地区でのランドマークとして鎮座しているのがこの金目観音、天台宗光明寺だ。
伝承によれば大宝二年(702年)海女が水汲みの桶の中から小さな金色の木片のようなものを見つけ何度捨てても桶に戻ることから不思議に思い持ち帰ったところそれを見た修行僧が観音像に違いないと伝えたことから周辺の住民から信仰されはじめ、海女が亡くなった後、その居住地跡に道儀上人が一宇建立しその観音像を安置したのが始まりという。
しかし観音様というのはよほど水辺が好きなようで浅草の浅草寺にも似たような話が伝わっているし、鎌倉の長谷寺にも水にまつわる話がある。ただ感じるのはもしかしたらこれ恵比寿信仰に帰来するものではないだろうか?
恵比寿の元、兵庫県にあるえびす宮総本社、西宮神社はヒルコが流れ着いた伝説がある。
もしかしたらその伝説が観音様と結びついてそのような話になったとも考えられなくも無い。
一つ気になるところがある。金目の地域から海岸線はとても遠い。
そんな遠くにある金目になぜ海女がいたのか...一説によると現大磯町小磯にいたとのことだが海女が住んでいた場所に一宇建立とすると小磯ではなさそう。そこで昔の海岸線を調べてみたところこんなページが...
まぁ6000年前とふるい感じですが実は奈良時代から平安時代にかけて平安海進という時期があったそうでそのころの海岸線は後退していたそう...もしかしたら西暦700年頃は金目地区周辺からすぐ海に出れたのかも知れません。ただ平安海進のときは50cm前後の海水面上昇しかなかったはずなのでそんなに海が大地を侵食しているとは思えない。
もしかしたら大磯町小磯説のほうが正しいのか、さもなくば金目近くまで海岸線が後退していた縄文期の伝説が伝わったのか?なんて壮大な夢を描いてみたりもする。
その後行基が観音像をほり、その中にその海女が見つけた観音像を納めたそうで腹籠り観音として有名になり、北条政子がそのこ実朝の安産祈願をしたという伝説もある。
その後一時衰退するも、元禄十年(1697年)には伽藍が再興される。しかし幕末には寺は荒廃し、近年三度復興している。
面白いのが国指定重要文化財になっているのがその観音様ではなく明応七年(1498年)に作成された観音様が納められている厨子(ずし)のほう...でもその観音様、聖観音菩薩も附指定されている。
附(つけたり)は簡単に言うと付録のようなもので果たしてそれを重要文化財とすべきかどうかが曖昧なのだそう...不思議なものですが厨子だけがあっても仏教用具としては成立しないのでそういう意味で附である聖観音菩薩が重要ということにはなるでしょうね。
残念なことにその伝説の観音像は開帳が六十年に一度しかない秘仏中の秘仏。
一度見逃すと人生のうち二度と見ることができない代物だw
次回ご開帳は2034年!
さてその伽藍ですが...
まず目に付くのは立派な二王門。
この二王門は平塚市の重要文化財に指定されています。
大きなちょうちんが良いですね。
左右にはそれぞれ二王さまがいらっしゃいます。
ちょっとわかりづらい写真で申し訳ない。
この金剛力士木造は関東最古の力士像だそうで神奈川県の重要文化財になっています。
二王様用の大きな草履が奉納されています。
さてこの二王門にはちょっとした昔話が有ります。
それがまんが日本昔ばなしで放送されました。
おちゃめな二王様ですねw
さてその先にあるのが...
坂東三十三箇所の第七番札所、光明寺観音本堂。
そう言えば前回坂東三十三箇所第五版札所行きましたよね?
今回は第七番です。
平塚市最古の建物だそうで元禄十年の再建は金目川の氾濫による崩壊からの再建です。
こけら葺の銅版です。これは近年の解体修理で元来の姿を復元したそうです。
神奈川県の重要文化財に指定されています。
浄財、浄財と...
どうですかね?厨子見えますか?見えるところにあるんですかね??
さてお参りを済ませて後を振り向くとこんな感じ
本堂の左手には歓喜堂。金目七福神なるものが...
夕焼けに色づく本堂も悪くないね。
そしてもう一つの神奈川県重要文化財の梵鐘。
さて一通り要所を押さえましたw
二王門を出ます。
ふっと左手を見ると小さな空間に碑文とこんな看板が...
さすが自由民権運動の里!
因みにこんな散歩コースもあります...
総評:なにもなさそうな小さな集落に意外にも立派な建物で驚きました。散歩がてら訪れてみるのも良いですね。近くには神奈川県立花と緑のふれあいセンターもあり、結構色々楽しめそうなエリアです。訪れても良いんじゃないかな??
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