大山参りの地域でもあるようで
江戸時代の昔から登山者も多く
古いものが結構残されていたりもします。
その蓑毛に古い古民家があります。
緑水庵
古い農家を移築したようなのですが
その緑水庵の秋がすばらしいとのことで
大日堂の帰りに少し立ち寄ってみました。
ということでこんかいは
緑水庵です。
緑水庵
蓑毛周辺にあります。
無料の駐車場もあるので気軽に行けますね。
バスは秦野駅四番バス停からヤビツ峠行き
30分に一本出ているようです。
入場も無料
月曜日および年末年始休館
開館時間は四月から十月 午前十時から午後五時 十一月から三月午前十時から午後四時
訪れた時期は紅葉真っ盛りの12月。
古民家と紅葉がとてもマッチしていましたね。
まずは概観を楽しんで見ましょう。
軒に干し柿があったりと人の住んでいた昔の表情をそのまま維持しようとしているのがいいですね。十一月末からはライトアップも楽しめます。
建物内には自由に入ることができます。
建物内は当然古いままです。
天井は屋根まで吹き抜け。
屋根は葺きかえられているようで内側から見える木組みは結構新しいままです。
屋根自体は既に茅葺ではなくトタン屋根になっています。
消防法で茅葺ではなくなってきているのかもしれませんね。
間取りは田の字型四間取り。
玄関からはいると土間。
そこには昔の農機具だとかがおかれ
壁際には昔のこの建物の姿などがパネル展示されています。
この緑水庵は元々芦川家の住宅だったようで秦野市今泉にあった古民家を移築したそうです。
この住宅は昭和五年(1930年)に大工の棟梁須藤氏によって立てられたもので、煙草農家の典型的な建物だそうです。秦野は元々煙草産業が盛んだった場所。そういう意味でこの建物は貴重ですよね。
さて実は秦野の古民家は以前にも紹介しています。
川崎日本民家園にあった旧北沢家住宅。
そのパネルも掲載されていました。
そちらは貞享四年(1687年)に建てられた建物。国指定の重要文化財になっています。
さてパネル展示というのはついつい色々見逃して仕舞いがちなんですが
ここのは色々面白い。
蓑毛に関するパネルも展示されています。
十返舎一九の書いた「諸国道中金の草鞋」という旅行記。
コレは「東海道中膝栗毛」が人気をはくしたのでその後発本として発表されたもののようです。そのかなに相模大山街道の紹介があり、そこで蓑毛と十日市(現秦野本町)を紹介したものがあり、それがパネル展示されています。
まずは十日市について...
東海道富士大山の道で夏に旅人が多いとありますね。梅雨時期は巡礼者が往来するばかりだとか...当時が偲ばれますね。
旅人の項目はなんとも下種な話ですが後家狙いで男共が群がっている様子が描かれていますw この十日市近くでしょうか茶屋があり、そこに美しい後家さんがいてその後家さんをナンパしようとしている男が二人しょうもない言葉で口説こうとしている様子が描かれていますw 今なら間違いなくセクハラですw その後家さんは「こんな山の中におくには惜しい(女)」ということですから今や十五万人を抱える秦野市ですが当時は本当に山奥深くという感じだったのかもしれませんね。
江戸時代の茶屋というと基本風俗をかねていましたからまぁちょっと下種な会話が旅人と茶屋の女将との間にあってもおかしくはないんですけども...w
そういう意味でいえば日本ってのは昔から性に奔放だったとも取れますね。
以前伊勢参りの際に関宿でお万の話しを出しましたがあの仇討ちお万も結果飯盛り女となっていて飯盛り女とはいわばお宿お抱えの風俗嬢ですからそう考えると江戸時代とはそういう時代だったのかもしれませんね。
さて蓑毛の項では
十日市から蓑毛までは一里半とあります。その間には四十八瀬川があって荷駄に乗るのがよいとあります。道は結構難渋するようですが山水の景色もとてもよい場所とあります。
結構風光明媚だったのかもしれませんね。
蓑毛にも御師があったとのことでした。
そういえば入り口の建て看板にもそのようなことが描かれていました。
御師とは寺社仏閣などの近くに居を構えてそのお寺などを案内する水先案内人のこと。
今で言うならツアーガイドみたいな感じですかね。
さてそのパネルにはまだ続きがあります。
山の中で狼に出会った人物の談話?で「その狼は若い女なら食うが筋ばかりの年寄は食わないといっていたようで若い者は逃げるがよい」といっていたとか...
江戸時代は狼とも会話できるなんとも高尚な時代だったんですね。
しかしまだ江戸時代にはこの丹沢にも狼がいたようで...
なんだかそれがまたなんともジンとくるというか...
日本狼はどこへ行ってしまったのか...
しかしこの狼。額面どうり狼と捉えていいものかどうか...
「友達をなどを食うよりか 若い女を食うほうが...」とあるのでもしかしたら...w
まったく十返舎一九も下ばかり考えているのではw
こもかぶりとは昔でいう乞食のこと。別に酒樽の意味もある。
土塀を雪から守るためにする雪囲いを菰かぶりというそうで
当時の乞食はその菰をかぶったものが多かったのでこもかぶりといっていたようですね。
そして酒樽は船で酒を運搬する際などに酒樽を保護するために菰をかぶせたのでこもかぶりというようになったとか
wikiよりHaragayato氏撮影
土間の隣には畳間があり結構広く取られています。
そのおくには床の間があります。
蛇の目傘がまたきれいにすえられています。
センスあるよね。
床の間側から土間側をのぞんでみました。
梁には神様が祭られています。
かまどの神様と方位の神様です。
そして驚いたのがコチラ...
なんと!宮崎駿氏のサイン。
2010年に贈られていますね。
宮崎駿氏はなかなかサインを書かないと有名な方...
その方のサインがあるなんて凄い!
コチラはイミテですが本物は別に保管されているようです。
蓑毛の活性化にこられたとのことですが凄いよね。
そういえば秦野の鶴巻温泉にある陣屋という高級料亭旅館は宮崎駿氏のいとこが経営されているとか... 宮崎氏も幼少の頃遊びに来たという話もあります。その旅館の近くに鶴巻の大欅なるものがあってその欅の木からとなりのトトロの大木のシーンへとつながったという噂もあります。
秦野 結構凄いじゃないか!?
さてその畳部屋のとなりには囲炉裏のある居間があります。
ここはまさに人を感じさせる空間として今も保存されています。
はい ということで緑水庵終了です。
所要時間はね
まぁ30分程度で充分です。
でも畳の上でのんびり日向ぼっこなんてのもたのしいですから
ゆっくり堪能したい方は一時間二時間容易してもいいかもしれませんね。
田舎をのんびり楽しみたいというかたにお勧めです。
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