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2018年7月2日月曜日

【讃岐 阿波の旅】阿波十郎兵衛屋敷

阿波十郎兵衛屋敷?
なんだそりゃ??
まぁあまり聞きなじみの無いお屋敷ですよね。
でも徳島では結構有名な観光スポットらしいです。
お隣香川はうどん県
うどん屋の数が半端無く多いことで有名です。
ではここ徳島は...?

実は徳島は阿波踊りだけじゃないんですよ。
そう人形浄瑠璃県といっていいほど人形浄瑠璃が盛んな県なのだそうです。
各部落に人形浄瑠璃を営む団体があり、
その浄瑠璃文化が華やいだのが徳島だそうです。

ということで今回は阿波十郎兵衛屋敷。


↓阿波十郎兵衛屋敷を見て廻りたいんだ!
って方は以下の石碑をクリック!


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本来はここ阿波十郎兵衛屋敷寄るつもり無かったんですよ。
しかし鳴門大橋のチケットを手に入れたときについてきたんです。
せっかくだからよってみようということで行くことになりました。

滞在予定時間は30分

それ以上かかるとどんどん後ろが詰まってきてしまう。
今回はその先にメインがあるわけですから
ここにあまり時間を割いてられないのです。

徳島城からあまり距離はありません。
吉野川の川沿いを車で進んで
すぐです。
吉野川が結構広くて良いんですよね。
この土手沿いに車を停めて写真でも撮りたかったのですが
幅員が狭い。
よってあきらめました。

その土手沿いからすぐに阿波十郎兵衛屋敷はあります。



駐車場が川沿いから見るとすぐ裏手です。


古い感じになっていますが結構新しい建物。
綺麗に整備されています。


さてここがなぜそれほど徳島で重要視されているかですが...

人形浄瑠璃で盛んに演じられた演目の元となった登場人物が住んでいた場所
ということで重要視されているようです。

へ?それだけのこと?と侮ってはいけません。
人形浄瑠璃演目の「傾城阿波鳴門」の主人公の原題になった人物の家だったわけです。
だから へ?それだけのこと?


そうです。ですが侮ってはいけないのです。
人形浄瑠璃といえば今で言えばアニメ映画のようなもの...
しかも3Dだぜ!笑

さらに「傾城阿波鳴門」は
元々は近松門左衛門の歌舞伎狂言のリメイクだそうだが
明和五年(1768年)に大阪竹本座で初公演。
人形浄瑠璃でブレイクした。

どのくらいの人気だったかは不明だが
今で言うなら「君の名は」までは行かないまでも
もしかしたら「コノセカ(この世界の片隅に)」位のブレイクはしているかも知れん。
ということは当然のこと聖地巡礼が起きるわけで
熱狂的ファンなら当時ここ阿波十郎兵衛屋敷を訪れて涙した人も多かったのではないか?
多分当時インスタがあったらメッチャフォトジェニックな場所だったかも知れんちゅーこっちゃ...

「傾城阿波鳴門」のあらすじはこちら...
砂村陰亡丸の余苦在話

要は子殺し夫婦の話ですな

最悪やん!

本来の話は別話。
元ネタは板東十郎兵衛の話です。
板東十郎兵衛は実在の人物で正保三年(1646)-元禄十一年(1698)
徳島藩士。
庄やであった板東十郎兵衛は延宝6年阿波徳島藩の他国米積み入れの川口裁判改役となる。
他国米の買い付けをめぐり罪に問われ息子ともども処刑される。
妻お弓は病死、娘お鶴は消息不明。

その米買い付け騒動とは、「徳川家綱の時代に他国米(肥後米)輸入の監視役を務めていた。肥後米*の一俵と阿波の一俵は換算が違うことから、船頭が差額の米を収入にすることができたが、十郎兵衛はそれを認めなかった。このことが他国米輸入を認めない幕府の耳に入らないうちに、徳島藩は十郎兵衛一人の責任にして、罪状も明らかにせず元禄11年(1698年)に処刑した。墓所は徳島市川内町にある宝生寺。」とのこと...。(wiki調べ)

良くわからんね。
要は家綱の時代に他国米の輸入は原則禁じられていたがまぁそれはなあなあで皆ウラではやってたわけで...。特に肥後米は買い付け値段が安く、阿波に持ち込むと差額ができるのでその差額分船頭が儲けることができる。しかし真面目な坂東十郎兵衛はその差額分を認めなかった。そのことで船頭とトラブルに発展公になってしまった。
焦ったのは徳島藩。他国米輸入は徳島藩も承知の上だったにもかかわらずお家改易になる可能性が出てきてしまったため、幕府の耳に届く前に坂東十郎兵衛個人の密輸として処刑してしまう。
とこんな感じなのでしょうね。

本人からしたらきたねーーーーっ と思うわけで
しかも息子も処刑。妻は病死、娘は行方知れず。まあ多分女郎屋に売られたんでしょう。

そりゃ浮かぶに浮かべない。

そんな悲劇は皆お見通しだったわけで
でも武士の諸事情を直接語り伝えることはご法度なので
それを作り変えたのが人形浄瑠璃「傾城阿波鳴門」だったのでしょうね。

さてその阿波十郎兵衛屋敷ですが...
まずは

ベーシックインフォメーション

開館時間:9:30~17:00
入館料:410円

と門をくぐりました。



門をくぐると


右側に阿波十郎兵衛妻弓と娘の銅像が立っています。


そして説明文が...


さて注意ですが...
ここ自由見学というわけには行かないようですw
門をくぐると自動的にツアー参加状態になりますw
まずは説明のムービーを見ることになります。


大変いい動画なのですが...
ちょっと時間に焦りが...w

そして展示ルームに...

展示ルームでも当然自由見学とは行かず
説明を受けることになります...苦笑

ただし時間に余裕が無いだけで
説明はとてもいいものでした。
上手でしたしもう少し時間があれば...と感じるほどでした。

まずは徳島の人がどれだけ人形浄瑠璃に命をかけてるか...
下の箪笥のようなもの
これ重箱なんだそう。
遊山箱というそうで
人形浄瑠璃を見るときに食べ物をつめて一日かけて楽しめるよう
もって出かけるそうで小さいものは子供用だとか...
すごいね。


そして人形の面...
徳島の人形は少し顔が大きめに作られているそうで、テカリが特徴。
なぜなら村落の神社の集会場などを舞台に多くの人に見せ、さらに朝から晩まで行われるので遠くの人でも見やすいように、且つ暗がりでも見えやすいようにするためだそうです。因みに人形舞台は少し高めに作られているので頭を操る人は高下駄などを利用しているようでその高さ分、顔も小さくなりガチというのもあって大きめに造られているということです。
他の地域の人形浄瑠璃はテカリなどは汗のように見えてしまうため倦厭されるそうです。



人形の全体と台本。
人形浄瑠璃は基本男性や子供には足がついているが女性は足を出すというのがはしたないとされていた時代だったため足は無く、そのかわり着物の裾を動かして歩く仕草にしているとか...
以下の人形は武智光秀人形。
武智光秀とは本来明智光秀のこと...
ただし武家の諸事情を直接描き伝えることが御法度だった時代。
直接名を出すのをはばかって付けられた名前です。

足元にあるのが台本の数々。
講談師のような存在が当然いるわけで義太夫節というそうです。
しかしその台本もいいまわしなどの記載でちょっと特殊にかかれているとか...

人形を操る人たちとの阿吽の呼吸が必要なわけで
それもまた面白い。


なお人形浄瑠璃の義太夫節は基本名主などの金持ちしかできないらしい。
というのもその台本を載せる台は自分の自前で用意しなくてはならず。
それ自体も相当根の張るものだったそうだからです。

さて実際に触らせてくれる人形もあります。


こちらです。阿波十郎兵衛の妻 お弓と娘 鶴です。
私も持たせてもらいましたが結構重いです。

一体の人形に対し三人で操るようで、それこそ三人の呼吸をちゃんと合わせないと人形の動きがぎこちなくなるようです。
頭、足 手など三人が義太夫節の声や三味線の音にちゃんとあわせないといけないようです。なお人形の右手は頭を持つ人の邪魔にならないように少し眺めの棒で動かすようでその棒を「差し金」というそうで「○○の差し金」などとつかうあの差し金の語源になっているそうです。

本当はこの後先ほど動画を見た講堂で国指定重要無形文化財の人形浄瑠璃が上演される予定だったそうですが残念ながら時間が無くそこは割愛することにしました。

阿波十郎兵衛も含んだ家族三人形がそろったケースもあります。


芝居では悲劇がかたられますが家族がそろっているというのはいいものですね。

さて時間が無い我らはその後裏庭から母屋側をちょろっと見学。


鶴亀の庭を見て



最後に展示ルームの横にあるお土産店に寄ってから


浄瑠璃公演を見ずに阿波十郎兵衛屋敷を後にしました。


正直本当に残念です。
もう少し時間が欲しかった。

10:14に入館し
10:54退館です。

結局40分いたことになります。

総評:建物自体は新しいですし広さもあまり無いです。100坪くらいでしょうかね。
しかし時間があるなら見に行く価値ありです。特に外国人の友人を連れて行くならありでしょう。こんなにトラディショナルな場所はありませんよねw 現に一組の外国人が来ていました。
歴史的価値があるものは建物的にはありませんが
人形浄瑠璃について色々学べますし公演も見れます。これは価値ありですよ。
正直徳島城なんかに比べたら俄然価値がありますw


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